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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 タケ子は湿ったスカートを気にしながら、布団の中を探る。

「...あれ?」

 しばらく探った後、見つからないので布団をはぐってみると、やはりそこにパンツはなかった。 辛うじて敷布団の中心が湿っていて、そこにあったという痕跡を残すのみだ。

「探しているのはコレかい?」

嫌な予感を現実にする、野太い男の声。

 ギョッとして体ごと振り向くと、そこには見た事のない男が五人ほど立っていた。

 風貌から、スレ上げた上級生といった感じだ。 実際、当たっているだろう。

 その五人の中心にいる、見るからにリーダー格の男がその手にぶら下げている物を見て、タケ子は絶句する。

 ヨレヨレだが、間違いなく、隠していたタケ子のパンツだ。

「返せっ!」

 真っ赤になって、素早い動きでパンツを奪い取ると、リーダー格の男はいやらしい笑みを浮かべた。

「!!」 タケ子の顔が歪む。

 奪い取ったバンツには、大量の白い乳液がへばり付いていた。 パンツのほとんど全体に染み込んだ、その乳液が、無造作にパンツを握った右手にベッタリと付着したのだ。

 その乳液が何なのか、タケ子は初めて見るとは言え、すぐに分かる。

 これだけ大量の精液、ここに居る五人が一回づつで済むはずがない。

 もっと大勢の男達が、命とタケ子の秘め事を眺めながら、タケ子の愛液で湿ったパンツを使って、それそけれのモノを扱き、その度にパンツに絶頂の証を残したという事だ。

 そういえば、寝ている命にキスしている時、タケ子自身見られているのを感じていた。

 あの後、話を聞いて集まって来たのを、タケ子が夢中になって気が付けなかった。

 あまりに迂闊。 でも、

「いいモノ見せてもらったよ。 特に、あの生意気な 雪之絵 命が乱れてる所なんて。でも、何時、脱がすのかと期待してたんだがなぁ。」

 そう、それだけが救い。

 人が来た時、誤魔化せる様に、命もタケ子も服は着たままでの行為だった。 命の乱れた姿を自分以外の人間に見られたのは悔しいが、命の大切な部分が、こんな屑の視奸にさらされなかった事だけは、心底よかったと思う。

「でも、キミのは見えたよ。」

 実際は、チラチラとお尻が見えていただけなのだが、数ヶ月前まで中学生だったタケ子にしてみれば、それだけでも充分に恥ずかしい。

 男達がにじり寄る。

 タケ子が逃げ出す様子はない。 弱みを握られて諦めたものと、男達は思っていた。

「で、俺達、まだ欲求不満な訳よ。 キミに助けてほしいんだ。 嫌なんて言えないよな?」

 確かに嫌だとは言わない。ただしタケ子は言葉ではなく、行動で自分の答えを示して見せた。

「!!?」

 リーダー格の男は、声にならない悲鳴を上げる。

 声にならないのも当然。 タケ子は、見た事もない素早い動きで、リーダー格の男のニヤけた口の中に、精液まみれのパンツを突っ込んだのだ。

 パンツは男の舌を過ぎ、喉元まで到達する。

「うごぉ!?」

 リーダー格の男は呻き、のたうつ。 自分の身に何が起ったのか、口の中に広がる青臭さと生臭さが嫌というほど教えてくれた。

 喉元に到達したパンツは、吐き出すよりも、飲み込む方が簡単な位置にあった。 しかし、二桁を超える男の精液の染み込んだパンツを、誰が飲み込みたいと思うだろう。

「げっげぇっ!!」

 リーダー格の男は、何とか吐き出そうと喉を絞り咳き込むが、これが逆効果。 喉を絞ると同時に、その喉にあるパンツも絞り上げられ、飽和状態にあるパンツから精液が溢れ出す。

 必死になって吐き出そうとする度に、口の中で、パンツから絞り出された精液を味わう事になるのだ。

 進退極まって、床を転げまわるリーダー格の男を目の当たりにして、他の男四人が驚き、慌てて騒ぎ出す。

 雪之絵 命の一筋縄で行かない強さは有名だが、そのツレのタケ子に、そんな恐ろしさはなかったはずだ。

 しかし、今のタケ子からは、男達素人でさえ感じる、冷たい気を放っていた。

「いいですよね?タケ子操っても。」

「当たり前でしょ。 でも、さっきと違って随分乗り気ね。」

 珍しく、怒り心頭のカズ子を見て、陸刀アケミが笑う。

「もしかして、加渓(タケ子)が、自分ではなくて、雪之絵 命を欲しがったのが悔しかったのかしら?」

 陸刀アケミの言葉に、カズ子は目を見開いた後、何も言わずに視線をそらす。

「ま、加渓の体は、ちゃんと操れるようになってから頂きなさい。」

「それよりも、気を付けなさいよ。 呪術によって封じられている、陸刀家歴史上最高の才能と言われた、陸刀加渓の力、」

「全て開放したら、人間の体なんてバラバラにしてしまうわ。」

 御満悦の陸刀アケミに比べ、カズ子の表情はすぐれない。

 水晶を通して目の当たりにした、タケ子が雪之絵命を欲しがった、と言う事実。

 命とタケ子、そして自分。 この三人は皆平等に仲が良いと考えていたカズ子には、確かにそれが悔しかった。

第二話、事情(前)おわり。  


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