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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 小判ザメが思わず叫んだ通り、皆月京次はとんでもない離れ業をやってのけた。

 強靭な手首の弾力を持って、サラメロウ一撃必殺の威力を完全に吸収し。

 返す刀で、小判ザメの拳を肘でブロックする。

 サラメロウと小判ザメ。 スピードも質も全然違う二人の攻撃を、一本の腕だけで完璧に防いで見せたのだ。

「怯むな!!コイツ、この状態では防御に徹するしかないわ!!」

 実力の差を思い知り、弱気になった小判ザメに対してサラメロウの怒声が飛んだ。 

 確かに、それは正しい。

 片手を骨折し、両足も封じられているのは今も変らない。 京次の超スピードをもってしても、最後に残された腕を防御以外に使う余裕はなかった。

 今の京次に、反撃の方法など皆無。 少なくとも、サラメロウを始めとする、ここにいる全員がそう思った。

 皆月京次、本人以外は。

「小判ザメ!!攻撃の回転を上げるわよ!!」

「...そいつは、無理だな。」

「君だって知っているだろう?」

「肘は拳より固いんだぜ?」


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