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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

「...さて、どっちが勝ちますかね。」

 テレビ画面を見つめる『白い死神』が、我関せずの落ち着き払った口調で呟いた。

 雪之絵御緒史も見つめる巨大なワイド画面には、『竜王』と『雀将』の二人に歩み寄る、皆月京次が映っていた。

「キミは、何故、鳳仙圭が、あんなに歪んだ性格になってしまったのか、知っていたかね?」

 白い死神の問い掛けを聞いていなかったのか、御緒史が突然そんな事を言う。

 顎を下に両手の拳をおいて、微動だにしない御緒史は、白い死神にも負けず落ち着き払っている。 表情を見る限り、それは強がりではない。

「いいえ? 興味ありませんし。 でも、どうせ大した理由でもないのでしょう?」

「その通りだ。実にちっぽけな理由だったよ。 所詮、鳳仙圭の痛みは、自分自身が受けた傷でしかないのだからな。」

 嘲笑しながら答えた白い死神に対し、御緒史の口元も、この時だけは綻んでいた。

「男の立場で言わせてもらおう。」

「男にとって、自分自身が受けた傷など、物の数ではない。」

「大切な人を傷つけられる痛みに比べれば、鳳仙圭の傷が、どんなに小さな事か。」

「真紀の男は、一番辛い痛みが何なのか解っているのだろう。 ならば負けるはずがあるまい。」

。 

『ありとあらゆる格闘技世界大会を、若干、十七歳で総なめにした天才格闘家、『雀将』。』

『まだ成人式も迎えていない若者だが、このまま成長すれば、師の『竜王』はおろか、『白い死神』をも超えられると言われている逸材だ。』

『町道場の師範あたりが挑むなど、身の程知らずも甚だしい。』

「雀将、お前に任せる。 私の手を煩わせるな。」

「お心のままに。」

クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

最終話

(その九)


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