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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

「...どうした、見知った相手を攻撃するのは辛いか?」

 崩れ落ちる小判の後ろに、エデン双子兄が潜んでいない事を確認した後、皇金が静かに呟く。

 高森夕矢は何も答えなかった。 しかし、別に見知った相手だから攻撃の手を出し渋ったのではない。

 以前見た、師匠の皆月京次と小判ザメの戦い。

 結果は京次の圧勝に終わったが、小判ザメの気配を消す技術は、京次に通用していた。

 きっと、それ程の技術を体得するのには、想像を絶する修練が必要だったのだろう。

 高森夕矢は、小判ザメのその部分に関して尊敬の念を抱いていたのだ。

「...こいつ等は、ただの死体だ。 気にする必要などない。」

 起伏の無い口調でそう言った後、皇金は背を向けて次の戦いにそなえる。

 冷たく聞こえたその言葉。 だが、それが建前である事は、噛み締めた顎から滲む血を見れば誰でも解る。

 高森の胸を締め付ける罪悪感。

 顔見知り程度の相手に怯んでいては、本当に辛いはずの陸刀ヒットマン達に申し訳ない。

「...!」


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