この時、流石の貴時も顔色が変わった。
今まで、若いながらも、それなりの修羅場をくぐり、先ほども、強敵のエデン父と一戦交えた貴時である。 『黒い瞳』と相対するにしても、それなりの自信があった。
だが、まだまだ自分が『人間の常識』から脱していなかったのだと自覚するしかなかった。
視界を遮られていながら、至近距離で拳銃の弾丸を躱すなど、生物の為せる業では無い。
ガラッ
『黒い瞳』は、小石に蹴躓いてバランスを崩した子供と同じ。
だから、空中にいる間に、弾丸を撃ち込む!
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