クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−


「姉さん!止めろって言ってるだろ!
いつを殺さなければ、親父は助かるかも知れないんだ!!」

バキン

「...ちっ!」

「あんた、そいつに対する憎しみと、親父に対する愛情と、どっちが大きいんだ!?」


「自分の怨みを晴らしたいだけなら勝手にしろ!!」


「本当に、パパ助かる?」

「可能性は、ある。」

 命は、鳳仙圭の髪の毛を掴み、貴時の所へ向かって歩き出した。 ダラリと力の抜けた鳳仙圭を引き摺りながら、早足で進む。

 そして、貴時の目の前までたどり着いた時、命は、ぼんやりとした口調で呟いた。

「...なんで、カズ子とタケ子が、ここに居るの?」

「!」

 その言葉と同時に、桐子の体が見て解るほどに震えた。

 勿論桐子も、この場所に来ようと決心した時点で、命に自分の正体を知られるのを覚悟したのであろうが、それが現実となれば、脅えずにはいられなかった。

 下を向いたまま、顔を上げる事も出来ずにいる。

「...それは、後で本人に聞きな。 今は一刻を争うんだ。」

 少しの間だけ桐子を見ていた命だったが、貴時の言葉にコクリと頷いて見せると、投げ捨てるように鳳仙圭を放った。

 貴時の足元に転がった鳳仙圭は、意識はあるらしく、朦朧としながらも怯えた目で貴時を見上る。

「今言った様に一刻を争う。」

「交渉はしない。説得もしない。」

「俺達に恩を売るか、今ここで死ぬか、どっちでも良いから今すぐ決めろ。」

「......」

 鳳仙圭は、自分の水晶玉を左手で握り締め、右手を皆月京次の傷口に向けた。


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