「...おい、本当に、命姉さんに輸血は必要ないのか?」
「ええ、しなくても大丈夫だと思いますわ。 良く頑張りましたわね、命ちゃん。」
。
「元気じゃねーか、」
「アケミさん?何を...」
命を静かに寝かせながら、貴時が立ち上がる。
「...そう? じゃあ、さっきの部屋にトカレフが二丁転がっているはずなの。取って来て。」
さっきの部屋とは、命が囚われ、『黒い瞳』化した部屋だ。 貴時も入ったので知っている。
「なら、私も何か...」
「お前は休んでろ、両足怪我してるだろ?」
動こうとした桐子に、貴時が肩に手を当てて止めた。
「はー...流石は京ちゃんの息子だわ。ああやって、女の子をその気にさせてしまうのね。」
「まー、桐子が男の子に興味持つのは大歓迎だけど、桐子っ、」
「はっ、はい!?」
「用意は私達がするから、その後で桐子にも手伝って欲しいんだけど、いい?」
「はい、あ、でも、水晶玉には霊力が全然残ってません。」
「そう、でもそれは大丈夫だから。」
「え?」