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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 夢から覚めた京次が、布団の中から上半身を起こし、寝ぼけ眼でビデオに付いている時計の日付を見ると、雪之絵と再会してから二日が過ぎていた。

 左手の傷と毒に冒された体は、想像以上にダメージを負っていたらしく、この二日間寝込んでしまったのだ。

 京次に寄り添っている命と、足元から布団に潜り込んでいるサラは、看病疲れといった所だろうか。 二人とも、完全に寝入っている。

「......」

 自分の左手を見てみると、完璧な治療が施されていた。

 京次は、出血を止める為に左腕を縛っていた。 もし、そのまま放っておかれたとしたら、血液の流れを止められた京次の左腕は、今頃、腐っていただろう。

 きっと、この治療の指示したのはサラで、器用な命がそれを忠実に行ったのだ。

 どのみち病院には行かなくてはならないだろうが、二人のおかげで、左腕を失わないですんだのは間違いない。

 この二人の事だ、言い合い喧嘩しながら、自分を看病してくれたのだろうと思うと、可笑しくてしかたがない。

 だが、やはり、純粋に嬉しかった。

 そして、もう一人、

 役立たずの自分の代わりに、苦労をかけた人物に感謝しなくてはならないだろう。

 カーテンの隙間から差し込む太陽の光を頬に感じ、視線を光の方に向ける。

 何時も命を見守っている雪之絵真紀は、今、この光の先にいる。

何の根拠も無く、京次はそう思った。

屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

第二章 終わり


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