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夢から覚めた京次が、布団の中から上半身を起こし、寝ぼけ眼でビデオに付いている時計の日付を見ると、雪之絵と再会してから二日が過ぎていた。
左手の傷と毒に冒された体は、想像以上にダメージを負っていたらしく、この二日間寝込んでしまったのだ。
京次に寄り添っている命と、足元から布団に潜り込んでいるサラは、看病疲れといった所だろうか。 二人とも、完全に寝入っている。
「......」
自分の左手を見てみると、完璧な治療が施されていた。
京次は、出血を止める為に左腕を縛っていた。 もし、そのまま放っておかれたとしたら、血液の流れを止められた京次の左腕は、今頃、腐っていただろう。
きっと、この治療の指示したのはサラで、器用な命がそれを忠実に行ったのだ。
この二人の事だ、言い合い喧嘩しながら、自分を看病してくれたのだろうと思うと、可笑しくてしかたがない。
だが、やはり、純粋に嬉しかった。
そして、もう一人、
役立たずの自分の代わりに、苦労をかけた人物に感謝しなくてはならないだろう。
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