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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 自分達が倒した死体の群れの為に、無くなりかけている足の踏み場を見つけて、高森夕矢と陸刀ヒットマンが、各々立っている。

 エデンマルキーニの操る死体は、もうとっくに全部片付けた。

 それでも、高森夕矢と陸刀のヒットマン達は、前に進むのを憚られた。

”エデンの父親は、常にエデンの娘の側にいる。”

「居るの。エデンの父親は確かに居るの。」

 エデンの家族を語る時、誰もがそれを言う。

 そして、目の前にいるエデンの娘。 

 貴時曰く、皆月京次並の強敵の存在。

すなわち、エデンの父親の存在が、彼らの歩みを止めるのだ。

「エデンの父親。 昔は有名なSPだったが、現在は、生きているのか死んでいるのかすら解らん。」

 過去に、故意の爆発にまかれて大怪我をしたエデンの父親。 その生死は定かでない。

 生きているとしても、その傷跡は、往年の戦闘能力をかなり削り落としているはず。 死んでいるとしたら、他の死体と同じく、エデンマルキーニに操られているだけだ。

 正直、エデンマルキーニの死体と戦った経験から考えて、もしエデンの父親が死んでいて、マルキーニの操り人形であるなら、それほど怖くはない。

 ただ、パワーとスピードに気を付けさえすれば、陸刀ヒットマンでも確実に勝てると思われた。

「生死はおろか、本当に存在しているかも怪しいがな。」

 高森の、頭一つ分上から聞こえた声。 少し後ろにいる皇金だ。

「何故です? そう思う理由は?」

”エデンの父親は、常にエデンの娘の側にいる。”

「そう、有名なぐらい言われているのだが...」

「初めて、この鳳仙屋敷にエデン一家がやって来た時、娘の側には、父親は居なかったらしいからな。」

「......」

「!!」

「馬鹿が!」

「みんな、早く下がれ!!」

!!

”エデンの父親は、常にエデンの娘の側にいる。”

『エデン一家がやって来た時、娘の側に、父親は居なかったらしいからな。』

「だったら、そのクソ親父は、屋根裏か床下に潜んでいるに決まっているじゃねーか!」

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