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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

「!?」

 マルキーニの電気により、どんなに強くなろうと、エデン双子兄の本体はただの子供である。

 高森夕矢の渾身の一撃に、体中の骨は完全に粉砕された。

 両腕両足は当然として、指先さえも捩じれ折れ曲がり、首は手元を離れ転がった。

 ゴミ処理場に打ち捨てられたマネキンを彷彿させるその姿。 あえて、マルキーニの言葉を借りるならば、これこそが「コナゴナ」である。

 元医者だというエデンの母親。 しかし、治癒能力の無い死体の複雑に砕かれた骨を、どうやって治すというのだろう。

「...よく気がついたな。 たいしたものだ。」

 命を救われた皇金がお礼の代わりに、もう二度と動く事は無い双子の男の子を見ながらそう言うと、高森夕矢は謙遜ではなく頭を振った。

 死体の臓物が抜かれているのは気が付いていたが、その体の空洞の中に潜んでいるなど、高森夕矢も思いもよらなかった。

 そう、これは、丁度その時、小判ザメの事を思い出していた為の偶然。

 それでも、あえて理由をこじつけるとするならば、

「この人の無念が、僕に教えてくれたんですよ。」

 そんな高森と皇金のやり取りを、微笑を浮かべて見ていた朱吏陽紅は、視線をある場所に向けて、再び表情を引き締める。

 それは、今しがたマルキーニ操る屍に殺された、陸刀ヒットマンの亡骸。

 そして、今これまでに自分達が倒した、元陸刀ヒットマンの亡骸達。

 朱吏陽紅だけではない、味方達全員が見ている。

「...殺したくはない。殺したくはないが...」

「これ以上刃向かうつもりなら、命の保証はしない。」


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