クレイモア 

どれぐらい気絶していたのだろう。

とにかく、雪之絵真紀がやっぱりネコかぶっていて、君寧明人を一蹴した所までは覚えている。

目を覚ましたら病院のベッドの上か、もしくは学校の保健室のベッドの上か、そんな事を考えていたが、いざ目を覚ますとまだ体育倉庫の中だった。

「うお!?」

慌てて辺りを見回す俺。周りの事は暗くてよく解らないが、窓から見える月の輝きに照らされて立つ一人の女だけはハッキリと見えた。

雪之絵 真紀だ。

「目、覚めた?」

いけしゃあしゃあと、こんな事をのたまう。

「てめえ!!」

怒りにまかせ立ち上がろうとした俺だったが、何かに阻まれて俺の体はころん、と転がった。

「!?」

その理由は、すぐに解った。 後ろ手に両手首と両足を、ロープで縛られていたのだ。 

そして、さらに気がついた。この体育倉庫の中には俺と雪之絵以外に、今だ君寧等三人が居る事を。

この三人も又、俺同様縛られて無造作に転がっていた。

俺と違う所は、目隠しをされ、猿轡を噛まされている事だ。すでに目は覚めているらしく、恐怖に脅えて、うーうー唸りながら身をよじっている。

「何のつもりだ?」

月光に照らされた、美しくも妖艶な笑みを携えた魔女は、俺の言葉を無視して、四つんばいになって覆い被さってきた。

目前に迫った雪之絵の顔、その笑顔は確かに美しかった。 でも、

「ふふ.... 見せ付けて上げましょうね。私と京次がどんなに仲がいいのか、あのイモ虫達に、ね 、」

「まさか、こんな状況でしようってんじゃ....。」

愚問だ、すぐにそう思った。そもそも雪之絵は聞いちゃいない。

雪之絵の視線が、俺の顔からツツーと下がっていき、胸、腹、さらにその下へと注がれた。そして、いとおしそうに、ズボンの上から右手でなでる。

「ああ.. この日、この時を、どんなに夢に見た事か。」

それは俺だって見た。ただし俺のは悪夢だ。

俺は全身を這いずり回る虫のごとき悪寒に身悶えながら、あの歌を思い出す。

ーーーちんこ、まんこ、ちんこ、まんこ、ちんこ...。

「うおおお!!」

思わず声を上げる俺。ズボンをパンツごとずり下ろした雪之絵が、なえたままの俺のアレを咥えこんだのだ。

俺は雪之絵のせいで女性不信になったため、性行為の経験は、雪之絵から開放されて以来、一度も無い。しかし、こいつのフェラチオのテクニックが、尋常ならざる物である事は俺にも理解できた。

気分的にも体力的にも、なえているはずの俺のアレがまたたくまに大きくなった。

「うふふ.. 大きくなった、気持ちいい?気持ちいいよね。」

昔聞いた、あの口癖。刻まれたトラウマが頭をもたげる。その正体は怒りでも憎しみでもない、恐怖だ。とうとう血の気が俺のアレからも引いた。しかし、雪之絵はそれをよしとせず、一層速い動きでなえかかった俺のアレをしごく。

「....っ、」

よくよく、男は下半身だけが分離している事を思い知る。頭の中でどんなに雪之絵を否定しても、アレは立つ。

ぐちゅ、ぐちゅ、と、 唾液に泡が立つ音が聞こえる。俺のアレに、雪之絵の口内と唾液がまとわりつく音だ。たまに、ずゅるずゅる、じゅぽっ、と、吸う様な音も聞こえるが、これらの音はかなりデカイ。わざと大きな音を立てているとしか思えない。

「は!」

俺はある事に気がついて、顔を君寧明人等の転がっている方へと向けた。

やっぱりだ。先ほどまで蠢いていた君寧等三人の動きがピタリと止まり、息を飲んでいるのが気配で解った。

俺と雪之絵が何をしているのか、目隠しのため見えないにせよ、聞き耳立てれば馬鹿でも解る。

「待て!雪之絵!馬鹿なマネはやめろ!!」

これはあくまで合意の行為ではない!と、君寧等にアピールするつもりで言ったのだが、そんな俺の思惑を知ってか、雪之絵は笑みを湛えてアレから口をはなす。

「あら、私と京次でまだやってないSEXプレイなんて、何一つないでしょ?フェラぐらい今さらなんじゃない?」

「わあ!よけいな事....!」

俺がしゃべり終える前に、雪之絵はいきり立ったままの俺のモノを再びくわえこみ、一気に上下運動を加速する。

柔よく剛を制する技術と、剛よく柔を粉砕する力の加わった、このフェラチオに、経験久しい俺が耐えられるはずがなかった。

「出..!」 「っ!!」

雪之絵の口の中に、大量の精液をはきだす。

元々自慰行為は、夢精しない程度にしかしない俺だ、たまっていた量は並大抵ではないはずだ。それでも雪之絵は自分の口内に精液を流し込まれながら俺を見つめ、笑っていた。

はきだし終えた俺は、力尽きた様に頭を床に落とす。

俺のモノを絞って、一滴残らず口の中に精液を溜めた雪之絵は、ちゅぽっと音をたててアレから唇をはなした。お約束のように透明の糸が、アレの先から雪野絵の唇につながっていたが、それはすぐに離れて消えた。

「...ねえ、京次....キスして..いい?..」

しゃべる度に唾液と混じりあった精液が、口の中からこぼれ落ちる。

その姿は素晴らしくエロチックなのだが、言ってる事はとんでもない。俺は勢いよく頭をふった。

「ふふ...そうね、今日は京次との”運命の再会の日”だものね、普通に行きましょうか。」

口の中の精液をこぼさない様にそう言った後、わざとゴクリと喉を鳴らして、それを飲み込んだ。

そして、おもむろに立ち上がると、着ている物を一枚一枚、俺に見せ付けるように脱いでいく。その光景は、月明かりだけでもはっきり見えていた。

「さあ、いくわよ。」

今のストリップショーのため、再びいきり立つはめとなった俺のモノを、雪之絵は自分のアソコに導く。

アソコが濡れているのは、滴れ落ちる雫を自身の下腹部に感じて解った。

昔、小学校の頃、絶えず収めていた鞘の中に今、再び。

「もどすわ。」

俺の心を読み取ったように呟いた雪之絵の中に、俺のモノは入っていった。


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