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「右腕の液体と、」
「こうやって、ぶつけ合って武具を壊し、液体のまま混ぜ合わせれば...」
「そんなこと!!...」「高森夕矢。」
「!」
「その娘がそれを行わなければ、ここにいる全員が死ぬ。」
「...」
「でも、何も自爆する必要は無いでしょう!? 投げつけるとか...」
言いながら、滑稽であると自分でも思った。 目にも止まらぬ動きを見せるエデンの父親。 ただ投げつけだけならば、避けるも受け止めるも容易だろう。
次に思い立った案を言葉にする前に、皇金が先手を打つ。
「お前が代わりに行おうなどと言うなよ? この娘は、訓練されているから溶液を上手く混ぜられるのだ。 ぶっつけ本番で成功させられると思うな。」
青ざめた高森であったが、今の言葉の意味を理解して、ヒットマン達が殺された時よりも大きな怒りを覚えた。
拳を握り締めて、皇金を睨みつける。
「...あなた達は、こんな女の子に、一体何を教えこんでいるんです?」
「高森君?」
自分の名前を、意外な人物から呼ばれた高森は、思わずその人に顔を向ける。
勿論、それは赤い髪の少女だ。
赤い髪の少女は、自分が言葉にした名前が間違っていないのを理解して、ニコリと笑う。
「アケミを責めないでね? 自爆用のアイテムは、陸刀の女達だけが持っているのだけど、それは元々特攻する為のものでは無いから。」
「女が負けたら、殺される前に犯されるんだって。 そんなマネされるぐらいなら、自爆して果てた方が良いって、アケミが言ってた。...私もそう思う。」
ム
「だから今回は、私が間違った使い方をするだけ。」